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Amazonプライムドラマ人間標本はえぐい?後味悪い?ネタバレ感想

今回はAmazonプライムの限定配信ドラマ人間標本の感想をお届けします。

はるか

さすが凌かなえの作品。やはりイヤミスの女王と呼ばれるだけあります。

自分が想像した物とは違い、物語は二点、三点し、理解の範疇をはるかに超えていきます。

そして、少年たちの美しさ、美しくも静かな気味の悪さ、理解を超える理屈、殺人犯の思考とはこういうことなのだろうか…

映像のグロテスクさで行くと、個人的にはそれほどでは…と思います。

血しぶきが舞う場面もありますが、基本的には美しい死体として映像化されています。

見た後の感覚としては、後味爽快!スッキリとした気分!とかいう作品ではまったくないです。

理解できないサイコパスの感情をのぞいてみたい、二転、三転する物語を単純にミステリーとして楽しみたいという人におすすめです。

過程を楽しむために、結果をいとわない、もしくは元々の原作のファンの方もみても良いのではと思います。

はるか

今回は人間標本を観た普通のドラマ好きとして、一般的な感覚から素直な感想をお届けしようと思います。

ネタバレもありますので、ネタバレが嫌な人は読み進めないでください。

5話完結の作品で、休みの日に一気に観られるドラマの長さなので、このお正月休みんに観るのも良いですね。

人間標本あらすじ

【親の子殺し】というセンセーショナルなテーマに正面から挑んだ本作は、蝶の研究者である榊史朗教授が、息子・榊至を含む6人の少年たちを「人間標本」にしたと衝撃の告白から始まる、禁断のミステリーサスペンス。

有名画家の息子である榊史郎、そしてその息子である至。

榊史郎が自首し、6人を手記と共に自首し、なぜ自分の息子を含む、6人の少年を人間標本にしたかを告白していきます。

有名画家である史郎の父が肖像画を描いた人物の娘である画家のるりとその娘とともに、るりの後継者を決めるという絵画合宿に招待された至と史郎…。

そこから物語は始まります。

人間標本 第一話感想 ネタバレあり

西島秀俊さんが演じる榊史郎が異常な殺人者として「殺害ではない、標本です」と聴取するシーンから始まり、史郎の手記に基づいた視点で物語は展開していきます。

でも何やら、志郎の父である榊一郎と肖像画を描いてもらうために来たという大学の同級生の佐和子。

この辺りが物語には深く関係するのだろうということは予測できました。

そして、子どもの時の史郎は人間標本を怖い…と表現するような純粋な心の持ち主であること。

この史郎が殺人者になるまでが描かれるのだろうかと不思議に思うくらいでした。

はるか

西島さんは最初本当にサイコパス感があるんですよね。

その手記をインターネットにアップしてから自首をしてくるんです。

インターネットにアップしたサイコパスって現実にいそうでいないですよね。

本当はいるのに、警察により抹消されているのでしょうか。

ちゃんとイケおじである西島秀俊が、頭がおかしい人間にみえます。

史郎の子どもの頃の回想シーンは、ずっと引き継がれた怨念がそうさせたのかと感じます。

蝶の標本を作るシーンも生々しくて、虫が苦手な人は映像力が強いかもしれませんね。

史郎の父である一郎は授賞式で「人間の標本を作りたいと思います」って言います。

そして、舞台から降ろされてる父がやばいやつということはわかる(笑)

蝶の目は紫外線が見えているというのは、初めて知る事実でした。

この物語はその後も目の見え方について、深く物語に関わってくるので、主人公である史郎が蝶の学者であるということは大切なことですね。

画家のるみは色彩がみんなとは同じようには見えない。

物語のキーポイントっぽさは感じつつ、最後、蝶と同じ世界を観ているところにつながるとは…

るみちゃんと史郎は同い年。

もしかしたら兄弟なの?とかいろいろ考えましたが、最後まで正直関係性がよくわかりませんでした。

至と史郎の関係性はとても安定していて、よく話をできる親子と言う印象です。

ここからなぜ至を標本にすることになるのか?

西島秀俊さんは取調室のサイコパス感と、良き父としての雰囲気すごく演じ分けられているなと感じました。

絵画教室…ここから物語が始まるというドキドキ感があり、美しい少年たちが集められました。

それにしても志郎の「君の眼のせいで僕は一生不幸なんだ」ってセンチメンタルが過ぎませんか?ってなりました(笑)

史郎どうしたん?急にメンタル不安定になって…。と違和感を覚えました。

人間標本 第二話感想 ネタバレあり

第二話の冒頭、独房で史郎は食事をとりながら吐き気を催すんです。

この時にあれ?史郎サイコパス説じゃないのか?という疑念がわきます。

確かにこのまま淡々と史郎が犯行動機、手順を語るだけの物語とは思えない、では誰が犯人?という予測に入り始めます。

でも、人が蝶に見えてんの?っていう変人感はぬぐえないまま。

そして少年(蝶)の特徴を一人ひとり説明していくという回でしたね。

手記に書かれている蝶の特徴になぞらえて、少年たちに会いに行く史郎。

それぞれの蝶を少年の特徴と照らし合わせていくと、とってもそれぞれに合った蝶が選ばれていることがわかります。

人間標本が詳しく説明されているのもこの回。

少年たちの死体の美しさを堪能するための映像美は素晴らしかったです。

特に頭部が反対に向けて展示されている標本は、異様でした。が山中柔太朗さんの美しさで綺麗な作品になっていましたね。

映像化不可能と言われる所以がわかりました。

人間標本 第三話感想 ネタバレあり

至と史郎二人の親子関係が描かれている回です。

台湾での仲睦まじい姿、二人の思い出など微笑ましいシーンが多いです。

もう至は芸術家とか目指さずに蝶学者目指せばよいのにって思っちゃってました。

そして、ここで事態は急展開。

あの手記を描いたのは志郎ではなく、至であるということが明かされます。

なぜ人間標本をつくるに至ったのか、その心の流れを手記に記していた至の心情をメインに、至の視点で描かれます。

え?至がやったん?普通の学生と思っていた至が急に頭のおかしなやつにみえてきます。

至からみたらライバルたちと自分との違い、至も人が蝶に見えてる系の人なの?という突飛な感性の持ち主だったのか?

一方で手記を描いたのが至だとすると、史郎は人は蝶に見えていないのだなと少しの安心感。

ではなぜ至が標本になったのか?

この疑問は生まれるが、それが史郎が自首してきた答えなのかもしれないと予測はできます。

遺伝子からは逃れられないと病気のるみの退場は決まっていましたが、

私の中では宮沢りえが演じている役が「このまま病気でなくなりました」で終わりはしないよねっていううがった見方が消えずにいました。

のちのちるみの秘密も明らかになっていきます。

人間標本 第四話感想 ネタバレあり

父と母の幻覚は何を意味する?

「父さんはみすみすお前を犯罪者にしたくない」

至が骨格標本を作った犯人であると感じた史郎。

「あれを作ったのは私だ、至じゃない、私の息子は狂った殺人者などではない」と叫ぶ時の演技で、自分が犯人であるということにするという決意を感じました。

そして、物語はこの回で急展開を迎えます。

え?事件から3年後?もう三年たったん!と唐突感にさいなまれながら、実際につかまっている榊史郎。

日本の警察はなぜ、わからなかったのか。死刑を受け入れている史郎がいる。

そんな現実ではありえないシチュエーションであるとも感じます。

史郎の下へ、るみの娘である一ノ瀬杏奈が面会にくる。

面会に応じた史郎、杏奈は「母の死と山の家の売却」を報告してきた。

杏奈から送られてきた至が描いた杏奈の絵。無毒の蝶が有毒の蝶に擬態した意味とは。

ここで真実が語られていきます。

一言で表すなら、ラスト杏奈怖すぎやん。

でも、いやいやまてよ、色んな人がやったと思わせているし、まだ誰かいるのかもしれないという思いをぬぐい切れません。

警察よ~って再度ここに戻ってくる気もするけど、もう警察の捜査能力のなさは一旦置いておきましょう。

とにかく杏奈は自分に4原色の目が遺伝しなかったこと、ずっとコンプレックスに思っていたんでしょうね。

後継者って画家としては必要なのか?という疑問もある。芸術は継げるものではないから。

杏奈はただ自分に向けてくれる愛が一番で合って欲しいそう思ったのかな。

「認めてもらうこと」これが一番大切になってしまうと、人は間違うのかもしれないなと感じました。

人間標本 第五話感想 ネタバレあり

第5話の冒頭の遺体解体場面が一番えぐいかなと感じました。

正直、息子の至がなぜ手伝う気持ちになったのか、そのあたりをもう少し丁寧に描いてほしかったなと感じました。

でも、るみに「認めてもらいたい」という気持ちでつながった二人が、共鳴したということなのだろうか。

それが殺人でなければ…と普通の感覚では思うところだが、最高の人間標本という作品を作るという芸術的な目的の前では意味をなさないのかもしれない。

正直、ドキドキのピークは至が手記を通して、犯人であるかも?と考察している部分だったかなと思います。

史郎と杏奈が二人で事件を話しながら、志郎が杏奈に「哀れみを感じるだけだ」と言い放った以降、あれあれれ?と何やらまた話は違う方向へ。

至を手にかけたのは確かに史郎であるとは思うのです。

しきりに「死刑になりたい」といっているから。

「るみちゃんだね」って、え?何を娘に託してんの?

芸術家とか関係なく最低の母親やんっていう普通のコメントしか出てきません。

「死んでもいいくらい悪い子たちよ」ってお前にわかるのか。

後継者が欲しいのは、サイコパスの後継者かい!ってなりました。

杏奈とるみ。史郎と至。対比した親子だったのだろうか。

るみは子どもの気持ちを利用して、自分の欲望を満たす母。

子どものしたことを不憫に思い殺すしかなかった父。

二組ともなぜそうなった?としか言えない。

るみは杏奈が史郎に人間標本を直接みせていないことがわかると「役立たず、やっぱり失敗作だった」と言い放った後に、杏奈に愛をって…

アンビバレンツ的な感情で愛と憎しみが入り混じっているのだろうか。

るみが体調を崩さなければ娘にやらせず自分でやる気だったのか?

理解できない…。

至は何で手伝ったん?

なんであれ全て引き受けようってなったん?

理解不能すぎて、ちょっと納得できない。

そして、るみが志郎を「一番の理解者」として執着していたのはなぜでしょうか?

恋や愛ではなく、気づきを与えてくれる存在と一番の理解者という関係性に至るには、ドラマの描写が足りなかったのか?

杏奈が四原色の目を手に入れたって後付けOKなやつなの?そして失うこともあるやつなの?

至は人間標本にされることを望んだっていつそんな気持ちなったん?

そんな疑問が多く残った、最終話でしたね。

至が描いた絵には写実的ではない、森と蝶を描いていました。

殺人を犯し、普通の精神状態じゃなくなった時、やっと才能は開花したということだろうか。

最後に至を手にかけるために、成人式を早めた史郎、切なすぎてこのシーンは、父と子の愛を感じた。

今から殺す息子につくる思い出のカクテル、めちゃくちゃ仲が良いのに、なぜすれ違いは起きたのか。

現実にはここまでのすれ違いはないだろうが、親子間での小さなすれ違いはあるのかもしれない。

至を手にかける時の西島さんの表情がとっても切なくて、薬剤を注射器に入れる時の苦しみが溢れました。

愛する息子を愛する蝶の標本にしたと思うと、史郎の心情には同情を覚えます。

そして、3年後に事実がわかると、精神が壊れてしまいそうな至への申し訳なさ。

るみの娘、杏奈がのうのうと遺産で生きているのはどうなの?って思わずにはいられない。

これがイヤミスの女王か~という何とも言えない感情になりました。

まとめ 人間標本は観るのに覚悟が必要

正直「芸術のために」って理解できない。なんも誰にも共感はできない物語です。

ただ、これは共感ではなく、人間の残酷さや、親子のすれ違いや悲しみ、コンプレックス。

芸術性や狂気、親子の愛の形、そういったものを美しく描いた物語。

全員が空回りの偽の殺人者ということ?空回りと言うと良くないが、誰かのためにって名付けないとなかなかやるせなくなってしまいます。

真実がわかっても全くスッキリはしない。

それが、愛だったのか狂気だったのかわからないけれど。

ミステリー作品としては面白い物だったのかもしれませんが、すべての人の気持ちがわからないという点では、個人的にはのめりこめはしない物語だなと感じます。

ただ、男の子たちはとても美しいと映像美は感じました。

市川染五郎さんを中心とした被害者約の男性陣。みんな綺麗でとてもきれいな芸術になっていました。

染五郎さんはチェックシャツの時には、ぱっと見それほど美男子には感じませんが、遠目での骨格がとても美しい。

顎からのどぼとけのライン。伏し目がちな切れ長の目元に、スッと通った鼻。

髪型が変なせいで一見美少年ではなくなっている感があるのですが、しっかりした眉とまゆ頭。本当に骨格がとてもきれいです。

髪型は浮世離れ感を演出していたのでしょうか。

普通にプレミアの時とかの方がきれいです。

原作ではもしかしたら、頭の中でだけでは想像しきれない映像があるかもしれないので、映像作品にも興味のでた方はぜひ、人間標本をご覧下さい。

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